第五話「謎の女」
「こちらパトリシア・クルーズ、ターゲットが倒れました。」
「記憶が戻ったのか?」
「まだわかりません。」
「わかった。それでは任務を続行してくれ。変化があったときは報告を忘れないように。」
「はい。」
彼女は無線をしまい動き出した。
部屋のベッドに横たわる1人の少女。周りには白衣を着た人たち。いろいろな器具。
ここは病院か研究質だろうか。
少女がベッドから起き上がろうとする。だができない。
彼女の体はベッドに固定されていた。
1人の白衣を着た人がベッドに近づく。
見覚えのある顔。だが思い出せない。
するとその人が彼女の腕に注射をさした。
そこで優里は目覚めた。
優里が目覚めるとそこはさっきまでいた部屋とは違う部屋だった。
埃臭く電気はついていない。優里は自分が寝ていた場所を見た。マットの上だ。
暗くてよくわからないがボールや得点表のようなものがある。どうやら体育館倉庫のようだ。
足下を見ると2人が寝ていた。
2人とも優里と同じようにマットの上で寝ていた。化け物だらけで疲れたのか。2人ともぐっすりと寝ていた。
優里は2人を起こさないようにゆっくり静かに行動した。
倉庫にも小さな窓があるため外の様子が見れた。外も暗く月明かりしかない。もう夜だ。
自分は相当寝ていたらしい。そこで優里はさっき見ていた夢のようなもののことを思い出した。
どうして自分はあんな夢を見たのだろう。優里は疑問に思った。
考えているとバッグが目に入った。近くには書類も置いてある。
そこで優里は自分が倒れた理由を思い出した。
"確かバッグの中身を確認しようとして…そういえばバッグの中身覚えてないな"
そう思った優里はもう一度バッグの中身を見ることにした。
また倒れるかもしれない。そう思うとなかなかあけられない。
だがそんな迷いを振り払いバッグを思い切ってあけた。黒いものがいくつか入っていた。
部屋が暗いためよく見えない。優里はそのうちの1つを手に取ってみた。重い金属のようなものだった。
そして優里はわかった。これは銃だ。バッグの中身は銃だった。
ハンドガン2丁、ショットガン1丁、マシンピストル1丁そしてそれらのマガジン数個とナイフ2本が入っていた。
するとまた突然頭痛が優里を襲った。だが今回は倒れない。優里の頭の中に変な映像が流れ込んできた。
とある建物の中。広いその建物の中に立つさっきの少女。
少女からはなれた位置には人形の的。ここは射撃場のようだ。
少女の隣には見知らぬ男とさっきの白衣の男。だが白衣は着ておらず私服のようだ。
少女は男に教えられながら銃を撃つ。その先では的に穴があいていく。
「うぅ〜」
そこでまた途切れた。あまりに頭が痛いので優里は思わずうめき声を上げた。
優里の声に気づいた亮が起きた。そして優里の異変に気づいた。
「山下!どうしたんだ!?」
その声で智美が起きた。
「ん〜なにが起きたの?」
まだ寝ぼけているようだ。亮はそんな智美を放って優里のそばに行った。
「山下、どうしたんだ?大丈夫か?」
そこで優里は我に返った。まだ少し痛む頭をおさえながら笑顔で答えた。
「うん、大丈夫だよ。ちょっと頭痛がしただけ。」
だが亮はまだ心配そうな顔をしている。慌てて優里は別の話題を出した。
「そういえばどうしてここに?」
そこにやっと眠気が覚めた智美が入った。
「まぁいろいろあってね。」
「いろいろって?」
「あのとき倒れたでしょ。呼んでも起きないから私らパニクっちゃってさ。そしたらまたあのアメリカ人の2人が来たんだよ。」
そこに亮が割って入った。
「そしたらそいつらが『ここは危険だから移動した方がいい。』とだけ言って山下抱えて移動し始めたんだよ。」
「それで来たのがここってこと?」
「そういうこと。ここなら扉が金属製で丈夫だし窓は鉄柵がついてて割れてもアイツラは入って来れないからさ。まぁ選んだのはあの2人だけどね。」
「…それであの2人は今はどこに?」
「さぁね、またどっか行っちまったよ。」
「そうなんだよねぇ。本当あの2人は謎だらけね。でも助けてくれてるからいいかな。ところで資料は読んだ?」
「資料はまだ見てない。見たのはバッグだけかな。」
「それじゃあはい。」
と優里は資料を渡された。
「読んでおいた方がいいよ。」
「2人はもう読んだの?」
「あぁ、読んだ。」
「じゃあ私が読んでる間2人とも寝てて。まだ疲れてるでしょ?」
「そう?確かにまだ疲れてるからそうさせてもらうね。優里も読み終わったら少し休みな。」
そういうと2人はまた寝始めた。そして優里は資料を読み始めた。
To be continued.