第一話「エージェント」

 それはある日突然私の日常に襲いかかってきた。
でもそれは必然だったのかもしれない。闇に落ち始めた運命はきっと誰にも止められない。
そう、誰にも…。

20XX年8月 戸川町

「あー、暑いよー。」
真夏の午後、優里は学校の帰り道に歩きながら隣にいる智美に言った。
「仕様がないよ。夏だもん。」
智美が歩きながら言った。二人は戸川南中学校に通う3年生だ。
山下優里と今井智美。
優里はスタイルがよくモデル並みだ。しかも顔もよく髪はショートヘア。ファッションセンスもいい。
学校ではモテる方だ。だが見た目とは裏腹に運動神経はかなりいい。頭はふつうぐらいだ。
そして何よりゲームが大好きだ。
しかもサバイバルホラーやガンシューティングと言った女の子が嫌がりそうなゲームだ。
こんな感じで毎日を楽しく過ごしている。
だが優里には1つ悩みがあった。それは中学1年生から前の記憶がない事だ。
家族は父親と母親と自分で3人家族だ。
記憶を失った理由はアメリカ人である父親の実家に遊びに行ったときの帰りの飛行機事故のせいらしい。
最初は戸惑ったが飛行機事故は本当にあったし家族を疑うのもよくない。
だから信じていた。
でも1つだけ腑に落ちない事がある。昔の事はよく両親に聞かせてもらっていたが写真がない。
それが悩みの種だった。一方智美は中学1年からの優里の大親友。優しい性格で記憶がなく戸惑っていた優里にとても優しくしてくれていた。
こちらもモデル並みではないがスタイルはいい。顔は普通で悪くはなく髪は長くポニーテールだ。
頭はかなり良く定期テストではいつも10位以内にいる。運動神経はまぁまぁいい方。
とても几帳面で何かをするときは計画を必ずたてる。4人家族で両親と弟がいる。

 優里たちはは話しながら帰り道を歩いていた。
すると突然後ろから黒い車がやってきて優里たちを少し通り過ぎたところで止まった。
優里たちは不審者だと思い身構えた。
そして中からサングラスをかけスーツをきた人が2人でてきた。
外国人らしき男と女だった。
そして優里たちに近づいてきた。逃げようと思い走り出そうとしたら女の方が
「初めまして山下 優里さん。私はパトリシア・クルーズといいます。こちらはマイク・メイヤーといいます。今日はあなたに渡したいものがあり来ました。どうぞお受け取りください。」
と上手な日本語で話し優里に包みをひとつ差し出した。
突然話しかけられしかも包みを差し出され優里は走り出すのをやめた。
しかし突然差し出された包みを優里は不審に思い受け取るのを躊躇った。
するとまた女の方が
「大丈夫です。この包みの中身はあなたに害があるものではありませんので。」
と言った。
優里は少し躊躇いがちにしぶしぶ包みを受け取った。
と優里はビックリして包みを落としそうになった。包みはとても重かった。
優里は"やっぱりヤバそうだな…返そう"と思い女の方を見たらもう車の方に歩いていた。
「あの…」
優里が言葉を発した頃にはもう2人とも車に乗って行ってしまった。
「それ中身なに?」
と智美が聞いてきた。
「わからない。でもなんか今は開けない方がいい気がする。」
「そっか。じゃあ今度中身教えてね。」
そう言って智美は歩き出した。
「ちょっと待ってよ。」
優里は急いであとを追った。

 それから何事もなく家につき何事もなく1日が終わった。そう、その日までは…。

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