第七話『狩人』
私は目を覚ました。
外を見る。夜が明けてしまった。
後、二日で街を出なければならない。もう疲れは残っていない。休憩は十分した。
和希も目を覚ました。顔色は随分良い。
私達は準備を整え、残る食堂と体育館を目指す。
途中、【ゾンビ】と何度も出くわすが、難無く乗り切る。そして食堂前に着く。
(??)『うわぁぁぁぁぁぁっ!』
それと同時に中から悲鳴が。満月が先頭を切り、向かう。
すると中から久保健斗が何かから逃げるように出てくる。
(健斗)『満月さん!助けて。緑の怪物が中に。』
返事をする代わりに銃を構える。
健斗を追い掛け回していたのは、証言通り、緑の怪物だった。五匹いる。
姿を確認してから銃を撃つ。
しかし今までの敵とは桁が違う。行動が早いし、本能で動いている様子はなく、考えて行動しているみたいだ。
相手にもチームワークがあるみたいで、隊列を組んでいる。まさに【ハンター】だ。
【ハンター】は左右とその真ん中に二匹、一匹、二匹で別れた。
(満月)『先生、和希君、ナイフをこっちに。』
(ウィルソン&和希)『わかった。』
満月は二人からナイフを受け取る。そして自分のナイフを取り出す。
(満月)『ゴメンね。最悪自分の身は自分で守って。』
そういいながら、まだ武器を持っていない、クララ、紘輝、健斗に手渡す。
臨戦体制に入ろうとするが、外では分が悪い。
校舎と食堂までは、外を経由する必要があるため、まだ中に入っていない満月たちは、下手をするとゾンビも相手にしなければならなかった。
選択肢は一つ。まずは食堂に入ること。
ウィルソンと和希はショットガンに持ち替えて、応戦しつつ、食堂に向かう。
その後を追うように全員が中に入る。
中は凄い光景だった。
それは死体の山と夥しい量の返り血だった。
【ハンター】がやったに違いない。相手はかなり凶暴だ。
未だに怯えている、クララ、紘輝、健斗を戦わせるわけには行かない。犠牲者が出るだけであった。
(実風)『相手が別れるならこっちも別れましょう!』
(満月)『なら私は一人で大丈夫。四人は左右をお願い。けどその前に渡辺さんナイフを貸して。』
実風は満月にナイフを投げる。満月はそれをキャッチする。
(満月)『今の私なら・・・負けない!』
満月は集中した。
ナイフを逆手に構え、ハンターに一騎打ちを仕掛けた。
オレは余りにもおかしい満月ちゃんの行動に不信感を抱いた。
女の子が、未知の生物に、一騎打ち・・・。
それは一瞬の光景だった。
満月ちゃんが消えたと思ったら、【ハンター】の後ろにいて、驚く間もなく、首が落ちる。
満月ちゃんに恐怖さえ抱いた。瞳が・・・赤い。
(ウィルソン)『気を抜いてると殺されるぞ。木村さんのことは後で聞けばいい。』
そうここは戦場。いつ死んでもおかしくない。
そして和希は戦いに身を投じる。
(実風)『航希君、先輩の瞳が赤い。』
(航希)『そんなことわかってるから集中したほうが良い。』
僕は、ナイフを左手に、ハンドガンを右手に、【ハンター】に向かった。
ハンドガンを撃ち、そして接近戦に持ち込む。
(航希)『援護して。』
実風は頷く代わりに、銃を構える。
一匹また一匹と葬り、とうとう最後の一匹に。
最後の一匹は血迷ったか、窓を突破って、体育館に逃げた。
(満月)『恐怖を覚えたのかな?とにかく追うよ。みんな!』
全員は食堂を後にする。