第三話『出会い』
もう何十分歩いたのだろうか。広い。永遠に思えるほど広い。
しかし見つけたのは、【ゾンビ】だけだった。
(和希)『もうすぐ一階は終わりだ。』
(満月)『まだ誰もいないね。』
静かに最後の扉に近づいた。そして入る。すると物音が聞こえた。
棒を構えつつ、周囲を見渡す。中には【ゾンビ】はいなかった。生きている人がいた。
(??)『誰だ。』
向こうがこっちに気づいて聞いてきた。
(和希)『オレ達ゾンビじゃありません。』
(??)『何!?生存者か。』
そういうと向こうが出てきた。昨日来たばかりの英語の先生だった。
(満月)『あ、あなたは・・・』
(??)『マイケル・ウィルソンだ。』
生存者に会えるとは、思っても見なかった二人。
(和希)『先生はここまで一人で?』
(ウィルソン)『あぁ、そうだ。君達は誰だったかな?とにかく扉を閉めてくれ。』
和希は扉を閉めてから答えた。
(和希)『芝本和希です。』
(満月)『木村満月です。』
(和希)『とにかくこれからは一緒に行動しましょう。』
(ウィルソン)『もちろんそのつもりだ。それからこれを使ってくれ。私はもう持っているからね。』
和希は慌ててそれをキャッチする。銃だった。日本警察が扱っているハンドガンだった。
(ウィルソン)『それとこれも。』今度は弾を手渡された。
(和希)『どこでこれを?』
(ウィルソン)『警官の【ゾンビ】からもらった。扱えるかい?』
(和希)『もちろんです。』
そういいながら軽く構えて見せた。
廊下に出ると【ゾンビ】が三匹、何処からともなく沸いていた。
銃の力を試すときが早速来た。和希は銃を構え、三匹のゾンビの額を打ち抜いた。
反動や重さについて、問題はなかった。
(ウィルソン)『君の腕は素晴らしいね。』
先生が褒めてくれた。
(和希)『これぐらい当然です。』
自信満々で和希は言い返す。
(和希)『そういえば、先生の銃は特別ですね。一体どうして?』
ウィルソンは少し躊躇ったが、答えた。
(ウィルソン)『仕方ない。話そう。まず私は、ただの英語の教師ではない。アメリカのFBIだ。この事件の裏にはアンブレラ社のウイルス実験が絡んでいる。事故が起こる前に、ウイルスを奪取するつもりだったが、遅かった。もう知っていると思うが【感染者】に傷つけられると、仲間入りだ。』
驚いた様子の二人。さらにウィルソンは話し続ける。
(ウィルソン)『噛まれた場合、1〜9時間の間に【ゾンビ】になる。ゾンビ化を防ぐには、すぐにワクチンを打たなければならない。それから空気感染の恐れはない。今回のウイルスは、外では殆ど活動できないからだ。今回の私の任務は、【ウイルス及びワクチンの奪取。未確認生命物体についてのレポート。生存者の保護。】だな。』
そこでやっと和希が口を開いた。
(和希)『オレ噛まれたんですが、もう9時間以上経ってます。』
(ウィルソン)『言い忘れていたが、完璧な抗体を持った人間が10人に1人はいる。多分君はそのうちの一人だろう。』
安心した様子の和希。
(満月)『気になってたんですが、未確認生命物体ってなんですか?』
(ウィルソン)『人をゾンビに変えるウイルスだ。突然変異を起こして、全く別の生物に変わっても、おかしくない。』
なんとなく分かった様子の満月。
ウィルソンの知っていること全てを聞かされた二人は、分かっているような分かっていないような様子だった。
(ウィルソン)『じゃあそろそろ行こう。』
全ては始まったばかりだった。