第九話

テレビに電源が入ると、すぐに事情は飲み込めた。
何の番組もやってねえ。
色々テロップやら流れてるし、『緊急放送』て、画面にでっかく文字が書いてある。
現在異常事態の為外は危険だから状況の確認が出来るまで外に出るな?電話は繋がりません?知ってるよ。
緊急の場合の各地の避難場所について〜うんたらは見てるヒマがねえ。
いつ外の連中が中に入ってくんのかわかんねえ。もうテレビは用済みだ。
とにかくここも危ねえ。
近所にいる友達が無事でいてくれ。
まずあいつらと合流しよう。
近所には友達カップルが住んでいる。
昨日一緒に飲んだばかりだ。
そいつらのアパートはここから、ほんの500mほどしかない。
ただこの足じゃあ全速力は無理だ。
よって玄関から、ハリウッド映画よろしく、獲物片手に外に出て、華々しく闘いながら、ダッシュで何とか合流、力を合わせて…、なんてのは無理だ。
遠回りだが、反対方向にある駐車場までなんとか行って、まず車を取ってこねえと。
左足の手当も終わり、服を着た俺は色々考えて、シミュレーションしようとしたが、突然の轟音に何もかも吹き飛ばされた。

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