第五話

ダッシュで部屋に戻る。
何かしなけりゃ、シャレにならん。
ばばあはもしかしたらそのまま死ぬかもしれない。

どうする?!

左ふくらはぎも尋常じゃないダメージらしく、血が出まくっている。
良く考えたら、一応正当防衛も成り立つんじゃねえか??
大昔に会社から至急された救急箱を開けて、応急処置用のガーゼなんかを探してた時だ。
最悪の事態は起りやがった。

『どうしたんですか!?大丈夫ですか!!すぐ救急車を呼びます!!』

隣りの部屋の奴がばばあに気付いた。
普段は俺と会っても目も合わせねえ、挨拶もろくにできねえ、大学生くらいのクソガキが!急にヒーローになってんじゃねえぞ!
手前に事情がわかってんのか?!事情も知らねえくせに余計な事は…
と俺の中で再び怒りが湧き上がってきた時だった。

『うわ、…!うわー!!』

今度はなんだ?
千切れた手首にでも気付いたか??
傷の手当てもままならないまま、玄関を覗きにいった俺は愕然とした。

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