第十二話

駐車場の手前の最後の角を曲がると、
男が一人、女の首に噛み付いて食ってやがる。
女はまだ生きていて、なんとも形容のしがたい、ほんの1%の可能性にもしがみつくような、そう、視線で俺にしがみついてきた。
ここまでの道のりで、奴等にはまだ出くわさなかったし、汗だくで息は上がってるが、興奮してるおかげで、体力はまだ十分過ぎるくらい残ってる。
幸い、目の前のご馳走に夢中で男は俺に気がついてない。
俺のとる行動に迷いは無かった。
全力(今日は何度ふり絞ればいいんだよ?)をふり絞り、残りの30mを、ビッコ引き摺りながら、液体も垂れ流して、走り抜け、急いでキーを車に差し込み、ドアを開けて乗り込み、ロックした。
半分漏らしてたションベンの残りが一気にほとばしる。
車のシートはびちゃびちゃだが、俺は助かった!
助かったぜ!クソがよ!ざまあみやがれ!やってやった!
『ウォーウ!!やったぜ!!この野郎がよ!!どうだ!!ああ!!??』
叫び声をあげ、すぐにエンジンをかける。
クソッたれのホラー映画と違い、エンジンも一発だ!!
すぐに車を動かし、熱烈に抱き締めあっているように見える、哀れな女と、プレイボーイを尻目に、どんどんとスピードを上げる。

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