第十話
窓から外を覗くと、隣りの家の塀に、事もあろうに、パトカーが突っ込んでやがる。
もうあいつらダメだ。
きっと外の奴等に殺される。
マジでやべえ。
駐車場までも辿り着けねえかも。
外もさっきまでと違い、悲鳴やら罵声やら随分賑やかになってきた。
その時、玄関に面した台所の窓がガタガタいい始めた。
やっぱりな。ドアを閉めた時にはすでに俺が中にいるのが分かってたんだ。そりゃ、そうくるよな。
いよいよピンチだ。
俺は押し入れの中にしまってあった木刀を取りだし、車のキーと、一応財布もポケットにしまい、覚悟を決めた。
ベランダの窓を開け、アパートの裏側に連中がいない事を確認すると、ベランダを乗り越えた。
『痛って……!!!…』一階とはいえ、着地の衝撃は、手当直後の左脚にかなり響く。
パトカーの激突にまだ連中は気付いてないらしく、あたりに人影はない。
急いで敷地を離れるとするか。俺の車も無事かどうか、わかりゃしねえ。
すぐ近くに国道16号もあるし、そのうち、パニクった車が次々に事故を起こすだろう。
まだ東京ん中じゃ田舎のここいらはこの時間そんなに交通量も多くないし、逃げられるかもしれねえ。
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