part 2
2008年の8月
1本の「予告」から恐怖の世界は始まった。
藤山愛、21歳。
都内の大学に通う女子大生だ。
オシャレで背が高め、モデルと間違われるぐらいの理想の女の子だ。
性格は陽気な女子大生の彼女だが、実はただ者ではない。
幼い頃から空手を始め、中学生では日本一になっている。
そして表舞台から姿を消すも、今でも腕が鈍らないように続けている。
ただ者でない、というのはそれ以上にとんでもない過去があるのだが・・・
愛は友人のルミと渋谷におり、ファーストフード店にいた。
「愛と会ったのが久しぶりだよ。学校ないから友達に会う機会なくてさー。」
「あたしもだよ。休みになってルミが初めてかも。」
そんな他愛もない話をしている隣では、男4人組がいる。
「今からお前の家言って、あのゾンビのゲームやらせてくれよー!」
「おいおい、俺今日この後アキバに行って調達したい物があるんだぜ?」
(アハハ、俗にいう「アキバ系」ってやつ・・・?)
愛は笑いそうになりながらも堪えていた。
「俺はパ、パスだな、そういうのは・・・。」
「お前、まさか怖いのか?」
「だってよぉ、何年か前に起きたっていうアメリカのラクーンシティ事件とかぶるんだよなぁ。想像しただけでも・・・。」
「何だよ、そんなのにビビってるのか?」
「あれは日本とは無縁の話だ。あれ以来アメリカから出る人間の検査の強化もされたし、第一事件後に感染なんてニュースはないだろ?」
「そ、そうだけどよ・・・。」
話をしながら4人組は席をたった。
「愛、聞いた?ラクーンシティだって。」
「そういえば、そんな事件あったわね。」
「ゾンビが現実に現れるなんて信じられないよ。」
「あたし達は普通に生活していても、あっちではそんな現実があったのね・・・。」
「素直にそう思えないけどね、あたしは・・・ちょっとトイレ行ってくるね!」
「うん。」
ルミが席をたった。
窓の外を見ると、ロータリーをたくさんの人々が行きかっている。
その人々が全部ゾンビになるといってるような事件・・・確かに信じがたい話だ。
(ラクーンシティか・・・。)
そして、愛は大型ビジョンに目をやった。
すると、突然映像が切り替わった。
どうやら臨時ニュースらしい。
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テレビTVSです。
突然ですが、只今より番組内容を変更いたします。
おととい、当局あてに複数の手紙とテープが送られてきました。
手紙の1つには児童誘拐の予告が記載されてあり、そして昨日報道された通り、東京と大阪で同時に事件は起こりました。
1人は京都で発見されましたが、東京で誘拐された児童についてはまだ見つかっておりません。
我々がこの事件の予告を公開しなかったのは、犯人から「予告を公開すれば日本のどこかで放火事件を起こす」とあったからです。
そして犯人は、送られてきたテープをこの時間に流すこと、そして主要都市の駅前のビジョンでもテープの映像を流すよう要求してきました。
また、「このテープの放送を、放送直前以外で前もって予告すること」、「前もって警察や世間に流すこと」などをすれば、やはり放火をおこすと警告してきました。
即ち、現在日本にいるすべての皆様のうちのどなたかの命がかかっているということをご理解ください。
昨日、予告通り誘拐事件がおきたことは非常に哀しいことであり、予告を知りながらもお伝えしなかったことは心よりお詫び申し上げます。
しかし、私達は全責任をもって犯人に従う覚悟でいます。
それではテープを放送します、ご覧ください。