最終章

ケインたちは図書室へと繋がるドアを開けて中に入った。
話によればこの部屋には数人の調査員とUBCS隊員、そして小隊長であるヘンリーがそこにいるはずだがケインたちが見たのは見るも無残な解体現場だった。
そして、胸を裂かれ本棚にもたれながら絶命しているヘンリーの姿を見たケインは彼の前に立つとしゃがみこみ恐怖で見開いたままの瞼をそっと閉ざす。
すぐに立ち上がると正面ロビーへと繋がる通路のドアの前で待機しているエリック達の元へと急ぐ。
ドアを開け何体ものUBCS隊員の死体を避けながら走り正面ロビーへ繋がるドアノブに手をかける。
勢いよく開いたドアの向こうのもUBCS隊員のバラバラ死体や調査員の死体が散乱し運び込まれた機材が壊されている。
そして、建物全体に衝撃が走りケインは倒れそうになった体をバランスよく支え立ち直す。

『爆発まであと5分です』

残りの時間をアナウンスが知らせケインは無言のまま外へと通じるドアをあける。
開けると同時に冷たい風が吹きつけ土煙がロビーの中に入り込む。
ケインは歩きながら輝く星空を見上げる何かを思いつめる。
エリックはホルスターから閃光弾を撃ち出す閃光拳銃を取り出すと夜空に向けてトリガーを引いた。
閃光弾は星空に向かって一直線に進みある一定の場所で明るく輝いた。
赤白い閃光弾の光は彼らの立っている場所だけではなく周囲を照らしその光はどのような場所からでも見れるかのように明るく輝きやがて消えた。
閃光弾が消えて数十秒後、時間が迫る中遠くからヘリのローター音が聞こえマイクの表情から笑みが浮かび叫んだ。

「やったぞ!ヘリが来たんだ!」

ヘリのローター音が近づき音の大きさを増しマイクはガッツポーズをとる。

「あとはロンが到着さえすれば・・・」

ケインが静かに呟くと同時に後方のほうから何かの破壊音が聞こえ正面ロビーへと通じるドアが吹き飛び1人だけ後ろを向いていたエリック方向へと飛んでくるがエリックは上半身を逸らし直撃を避ける。
その場にいたものは吹き飛んだドアの方向へと目をやるとそこには先ほど通路でであった化け物、G−0135が鋭い殺気を放ち立っていた。

「くそ、最後の最後にこうなるのかよ」
「ってことはロンは・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「全員構えろ。ロンの弔い合戦だ」

エリックは笑みを浮かべながらM4A1を構えケインもエリックを見た後、銃を構え破壊されたドアの前に立ち尽くしているG−0135に照準を向ける。
ジョニーはM203グレネードランチャーのトリガーに指をかけるとそれをG−0135に向けトリガーを引いた。
放たれた40mmグレネード弾は一直線にG−0135に向かって進むとG−0135の左腕に突き刺さると爆発しG−0135の左腕は吹き飛び上空を回転しながらやがて地面へと落ちた。
G−0135は叫び声をあげながら膝を突き長い爪を振り回す。
ケインとエリック、そしてマイクはほぼ同時にM4A1のトリガーを引き連続して放たれた5.56弾は次々とG−0135に着弾するとG−0135はさらに低い叫び声をあげる。
が、次の瞬間G−0135は膝をついた状態から空高く跳躍しケインたちとの距離を縮め長い爪を掲げジョニーの頭上で振り下ろす。
そのままG−0135は地面へと降下しG−0135の長い爪はジョニーの胸を大きく切り裂きそれと同時に地面へと着地する。
胸を切り裂かれたジョニーは血液を噴出しながら白目をむき地面へと倒れた。

「ジョニー!!」

ケインは叫びながらG−0135と距離をとりつつM4A1を連射した。
他のものも驚いてGとの距離をとり銃を乱射する。
マイクはある程度のところまで後退するとタクティカルベストのポーチの中に入っていたM67手榴弾を取り出すとピンを抜きG−0135のいる方向へと投げつけた。
手榴弾は風を切りながらG−0135の背中に当たると弾け地面へと落ちた。
G−0135に一番近かったケインは手榴弾を見ると顔色を変えて手榴弾から急いで離れる。
次の瞬間、手榴弾は爆発し爆風と手榴弾の破片がG−0135の背中を襲い爆風によりG−0135は吹き飛び前かがみに倒れこむ。
同じように爆風で吹き飛ばされたケインは酷い頭痛に耐えながら立ち上がり呟く。

「ばかやろう・・・俺を殺す気か」

ケインはヨロヨロとしながら立ち上がり同じように立ち上がろうとしているG−0135を睨むとG−0135の体に変化が現せる。
体を震わせていたG−0135の腹部には大きな目が構成され見開いた目はじっとケインを見つめる。
後ろのほうでマイクとエリックがM4A1を連射し弾丸がG−0135の背中に突き刺さり続けるがG−0135は気にした様子もなくケインを睨み続け長い爪を横に振るった。
幸いにも爪はケインに当たることはなかったが懐に入りすぎたケインはG−0135のライアットをまともに食らう。

「ぐっ・・・」

弾き飛ばされたケインは地面を何度か転がると停止する。
それを見ていたマイクとエリックが必死にG−0135に攻撃を食らわすが相手にされずついに2人の武器の弾薬が切れる。

痛みをこらえ立ち上がったケインはG−0135の腹部に構成された目を見ると不気味な笑みを浮かべポケットからM67手榴弾を取り出す。

「一か八かだな・・・・」

ケインは自分が今からやる行動を考える。
もしこれをやればたとえ生き残ってもケインの将来が揺らぐのは避けられない。
目を閉じ自分が警官だった時代のとき、自分のミスで子供を跳ねてしまい。
その子供の葬儀場にいる自分の姿を思い出しながら目を開ける。
覚悟を決めたケインは弾丸がなくなったM4A1を地面に落とすとM67手榴弾を右手で握ると走り出した。

「何をする気だ!」
「黙って見ていろ!」

ケインは叫ぶと同時に上空で輸送ヘリが飛行しているのに気づき一定の高さを保ち上空からケインたちを見守っているようだった。
だが、それを無視しながらケインはG−0135に向かって走り手榴弾のピンを抜く。
手榴弾を握っている右手に力を入れながら突っ込む。
G−0135は自分に向かって走ってくる‘獲物’に対し長い爪を引きずりながら歩き出しそれを重心をかけながら横へと振るう。
風を切り爪はケインを狙おうとするがケインはしゃがみこむとG−0135の攻撃を回避すると一気に懐に入り込むと手榴弾を握っている右拳により一層力を入れながらG−0135の腹部に構成されている目に向かって思いっきり殴った。
手榴弾が握られている右拳は構成された目に突き刺さりG−0135の体内に侵入する。
そして、次の瞬間手榴弾は爆発しケインの右手もろともG−0135の体を爆破しG−0135は上半身と下半身に別れ地面へと倒れケインの右手は肘の部分まで消失していた。

「!!・・・・・・・・・・」

あまりの痛みに超えも出せないまま意識が飛びそうになるもそのまま立ちとどまる。

「ケイン!」

すぐさま、マイクとエリックがそばによると倒れそうになるケインの体をマイクが支えエリックが声をかける。

「なんであんな無茶をしたんだ?」
「さあな・・・アイツを倒す方法が浮かばなかったからな」
「イカれてるぜ」

ケインの肩をかかえながらマイクとエリックはすでに着地している輸送ヘリの後部ハッチへと向かい歩き続ける。
ハッチから内部へと入り込んだケインは内部で待機していた医療班に応急処置を受けながら担架に寝かされ麻酔を打たれる。
ヘリはすぐさま上昇し館を離れていくそのあと、大きな爆発音と共にヘリに衝撃が走りそれと同時にケインの意識は薄れていく。

何年前だったか。あの秋の雨の日、ケイン・リバーは目の前に通る棺桶を傘を差さず に雨に打たれながら無表情でそれを見守っていた。
誰かを救う立場にあった自分が誰かの命を奪ってしまった瞬間、激しい心の痛みと罪の意識が彼を襲った。
‘何かを救う’・・・・・・・・
強盗事件で家族を失ったケインが目標にしていたことだ。
だが彼が目指していた目標は砕かれ逆に奪ってしまう立場に立ったとき彼は変わってしまった。
プレッシャーに耐え切れず警察を止め酒に溺れる毎日。
いつしかケインはその目標を失いかけていた。変えたいと思う気持ちがあるものの酒に溺れきった自分はなかなか変えられない。
すでに救う立場にあった職はなくさらにケインを溺れさす。
そんなときだった。ケインの元に一通の手紙が届いたのだ。
それは製薬会社、アンブレラからのものであり会社が構成した傭兵部隊の入隊状だった。
これを機にケインはまた変わった。
それは今度こそ自分の目標を実現し続けるために・・・・・
そして、今彼は二つの命を救いその代償は大きいものであった。
それは誰にも評価されるわけでもなく誰にもほめられるわけでもなくただの結果でしかない。
たとえ腕を失ったとしても彼は後悔はしていない。
ただ、今は静かにこの気持ちをかみ締め眠りたい。
それだけであった・・・・・・・・・・・・・・・・・

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