【第一話】

1999年 9月下旬 アリゾナ州 都市フェニックス

ここは9月になっても、気候は暑い方だ。太陽はギラギラと輝き、私の血色の悪い肌を照らしている。
ヨーコ・スズキ。アンブレラの元研究員及び実験体にされ、死の街ラクーンシティから脱出した、8人の民間人の一人である。
現在は、灼熱の街フェニックスで、小さな私立大学の研究所に勤めていた。研究所は、反アンブレラを示す人達が集まり、対Tウィルスの研究を続けている。
ヨーコは、配属されて、まだ1ヶ月弱の新人だが、その有能な力は認められていた。
が、影では、自分がアンブレラの違法な研究の協力者という、クレームも付けられ、白い目で見られる事もしばしばあった。
まあ、今でも続いているが。けれど、仕方がないとも思う。今、自分は償いの道を歩み始めたばかりだ。
いちいち、落ち込んではいられない。死んだら、そこで終わりだと1年前に学び取った。
「ヨーコ。」
声をかけたのは自分の上司、デネブ・ケイン。
「博士!!」
「そんなに、慌てなくてもイイでしょ。」
デネブは慌てるヨーコを可愛いと思った。彼女は、ヨーコより15歳年上で、上司と部下というよりも、年の離れた姉妹といった感じである。
「所長が呼んでるわ。」
所長と言う時に、デネブは呆れていた事にヨーコは気付かなかった。
「ハイ!分かりました。」
ヨーコは笑って返事をした。

* * *

所長室前
デネビは重いため息つく。 一体あいつは、何を考えている!?長年の付き合いとはいえ、今だにあいつの考えている事は分からない。
後ろにいるヨーコは、そわそわし始めた。では、行くか・・・ノックをする。
次に、 「デネブ・ケイン入ります。」
ドアを押すとそこは、整理された書類の山が、赤いカーペットに障害物のごとく置かれ、同じように来客用の机とソファにも置かれていた。
「たく、この野郎は!」
デネブは危なっかしく道でない道を歩き、所長机につっぷして寝ている男の胸倉を掴む。
「起きろ!ジン!!」
ヨーコは、ビクビクした。
「えっ、そんなに怒らなくても・・・」
「悪いけど、コイツはこういうやり方でしか起きないのよ。」
そして、近くにあった分厚い本の角で、顔面を叩き、
「う、う〜ん・・・」
呻き声が聞こえたのは、1分後だ。デネブはようやく手を止め、ヨーコはさらにビクビクする。
「あ、おはよ。デネブ。」

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